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事例集「遺言」

老母の逆襲

<事 案>

とある高齢者夫婦のお話です。


二人には子どもがいませんでした。
夫である紳助さん(仮名)には、母と三人の妹がいましたが、疎遠になっていました。


病気になった紳助さんは、自分の死後、妻である郁子さん(仮名)が意地悪な妹たちに現在の自宅から追い出されないようにと、遺言書を書きました。
その内容は、「現在所有している住宅とその敷地の借地権を含むすべての財産を妻一人に相続させる」というものでした。


紳助さんが亡くなり郁子さんが相続手続をすませた頃、紳助さんの母より、遺留分減殺請求という通知が届きました。紳助さんは、母に遺留分減殺請求権があることを知らなかったのです。紳助さんが遺言書で母への配慮を怠ったため、それを快く思わない妹たちが、母が遺留分を請求するように仕向けたのでした。


遺留分とは、被相続人(この事例でいうと紳助さん)が有していた財産の一定割合について、最低限の取り分として、一定の法定相続人(この事例でいうと母)に保障する制度をいいます。


郁子さんは請求に対応するため、夫が残してくれた自宅と借地権を売却し、その代金で遺留分価額を亡夫の母に支払うことにしました。


結果として、郁子さんは夫との思い出が詰まった自宅を売却し、小さなマンションを購入して余生はそこで過ごすことになってしまいました。


  紳助さんは遺言書を作成していたのに、なぜこのような結果になってしまったのでしょうか?

 

<問 題 点>

・遺言書を作るときに、遺留分制度を配慮しなかったため、自分が望んだ結果を実現できなかった。

<解 決 策>

・遺留分に配慮した遺言書を作成しましょう。